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口上 個人は他人との関係性として存在する。 |
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カミザキ ユミ との 関係性
アルガ カヨ との 関係性
スズキ レイコ との 関係性
リズ デサイー との 関係性
ウエゾノ リコ との 関係性
好きなオンナ との 関係性 |
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アルガ カヨ との 関係性 |
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新しいソファーが届いたので、アルガカヨとの関係性について思い出した。
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カミザキ ユミ との 関係性 | |
前の週、サイパンで撮った写真を手渡されて、これはプロが撮った写真じゃなくて、いっしょに行ったモデルが撮ったんだなと思いながら、たぶんホテルの部屋から出ると外に面した通路になっている、そんなところで写した写真を、オレは断り無しナシに1枚抜き取って、なんだか少しいい気分になっていたに違いないのだけれど、その写真のユミは、オレが知らない黒のドレスを着ていて、すらっとした手足も、風に舞うストレートヘアーも、そしてやや微笑んだ口元をキュっとさせる表情もオレは好きだった。だから、『今日は階段を上がったり下ったりする歩きをレッスンをしたの』とユミは言ったが、そんなコト、オレにはどうでもよかったし、それよりサイパンへ撮影に行ってたのに、どうしてこんなに色が白いんだろうとも思ったが、そんなこともどうでもいいとゆっくり気付きながら、オレはユミのそのやや微笑んだ口元をキュっとさせるその唇にたぶんキスをして、それからその時は洋服も下着もオレが脱がせた。 |
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スズキ レイコ との 関係性 |
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湾岸線から横横を通って逗子までスズキレイコの運転で飛ばすことが幾度かあったが、そのこと自体に何の意味もないし、何かを求めるための前ぎでもなければ何かを求めた結果でもないコトは、オレだけじゃなくてレイコも認識していたはずで、由比が浜を越えたあたりでクルマを降りて、夜の暗い海を並んで眺め、そして江ノ島を経由して東京に戻るいつものコースは、オレの電話でレイコが迎えにくるのだけれど、あるときは六本木のクリュー、あるときは赤坂のティオ、あるときは代官山のキアッケレ、あるときは恵比寿のムラ、ある時は川崎の坊なんてこともあったが、レイコは赤いクーペでオレを器用にピックアップした。
その日、オレはめずらしく大森までレイコを迎えに行って、レイコの家は300坪ぐらいはゆうにありそうな大きな家で、離れがレイコの住んでいるところだと、オレはレイコから確か聞いたことがあったのだが、今日はなんとなくメルセデスで来てよかったと多少思いながら、でも横浜のラブホテルへ入るにはレイコの運転に限る、その理由は、ラブホテルと300坪の離れのギャップを見出すことも、縛られることも、そしてもっとと哀願することも、自分なのだと認識しはじめたレイコを感じたかったからだったはずだ。 確かにレイコはそう言って、ヨーロッパ旅行のお土産、っとその一輪のバラと交換にワインの入った包みがオレに手渡されたのだが、レイコは昨日パリから帰ってきたところで、今日のパーティーにオレが誘ったことを覚えていて、それで昨夜電話をしてきたこの事実はきっと特にこの瞬間に限ればレイコにとって何らかの意味があったのだろうけれども、目に見える現実の事象としてオレがレイコに施せることは、レイコが長い間に渡って持ち合わせてきたものを超えることは無いし、所詮ヒトはヒトを救済するコトなんか不可能だし無意味だと、オレはなぜか確信して、そしてオレによって操作されたシフトレバーはいつものジグザグの手ごたえを経て一番手前のドライブを選択した。 だからパーティー後半、その夜集まったメンバーの一人、ソニーのエンジニアのヤマモトケンイチのレイコをこのあと飲みに誘いたいという申し出を承諾したのだが、その夜初めて会った富士銀行頭取秘書のヤマナカ(こいつは名前を忘れた)というオンナからどこか飲みに連れていってくれ、と言われた3分後ぐらいに、オレはレイコにヤマモトを紹介して、そしてオレはヤマナカとパーティー会場を出て、そしてそれ以来、オレはスズキレイコと話しをしていない。 |
リズ デサイー との 関係性 | |
ミラノ発BAのアッパークラスは、オレともう一人しか乗客が見当たらなかったが、初老とも言えるやや年配のイギリス人客室乗務員から仕事でロンドンで行くのか、とたずねられたから、セント・ジャーミン・ストリートのターンブル・アンド・アサーへシャツをオーダーしに行くと答えて、その5分後、オレはアルプス越えのコックピットで機長からそのアルプスの山々の説明を受けていた。 だから、ケンジントンのヒルトンのロビーで待ち合わせしたリズの唇の顎の間の新しいピアスをとても好意的に受け入れることが出来て、瞬間的にリズの口の中でピアスのクランプはどのような具合でリズの肉体に食い込んでいるのか想像したが、予想よりも強いチカラでリズに引き寄せられたから、そのピアスはオレの顎の上の辺りにおされて、そしてもっと強くリズの肉体に食い込むことになったのだけれど、たとえそれで痛みが走ろうとも、血が出ようとも、そんなことはオレはいっこうに気にする必要なんかなく、それよりもその痛みの100倍の力でバックから右手を引っ張ってやれば、もっと感じれることを、多分リズもオレも今は知っている。 フランスのジョンの家でリズが朝食を作ってくれたとき、リズは友人の家のキッチンなのに驚くほど手際よく、鼻歌を歌いながら、窓から差す朝日に時々照らされて微笑みながら朝食を準備したのだけれど、たしかリズは白であまりぴったりとカラダにフィットした感じのものではないワンピースを着ていたが、このあと近くのレイクまで散歩に行って、リズはそのワンピースを脱いで、その下に着けている水着も脱いで、でも当然まわりにはオレ意外にもヒトがいて、そうだ、オレは絶対サングラスを忘れてはいけないなんてTシャツの首にそのオークレーを下げて、でもこのキッチンでこの白のワンピースを脱ぐことの方が当然セクシーだ、なんて、かなり眠いアタマで考えながらリズの動きを追った。 オレのプレゼントは時計だったのだけれど、リズは自分がディザインしたスカーフを準備していてくれて、それはゲコ−をモチーフにした女性用のものだったのだが、ボンドストリートのブチックにそのスカーフが置かれることになったと聞いた途端、オレはなんだかリズとの距離感を掴むことに難しさを感じてしまったのだけれど、それはリズの父親がフランス人で母親がイギリス人でリズにはフレキシビリティーに富んだ教育が施されているというバックグラウンドからくるものではなく、リズの望むことがオレの視座から見えにくいことが原因でもなく、ただオレがリズに要求して、そして得ることが許されるものごとのすべては、すでにオレ自信で消費したのだと思うことが合理的で、そしてリズはロンドンのどこかでディザインを続けていて、そしてオレはそのプレゼントのスカーフの在り処を思い出せない。 |
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ウエゾノ リコ との 関係性 |
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8月6日 ゆっくり暗くなるのを待つ、という言い方は正確じゃない。待っていなくたって、暗くなる。けど、さっきまでの夕焼けの色がわずかに残った空が、完全に闇になるまで、オレはただ時間を経過させるしかなかった。 8月7日 明日の早朝ミラノへ向かうリコの体力を過度に消耗させてはいけないと思った。その上この暑さと低湿度で、少しカラダを動かしただけで喉がからからになる。すでに0.5Lのボルビックが空になっていた。 8月8日 ホテルからはタクシーで行くから来なくてもいい、とリコは小さな声で言ったがオレは早朝のピックアップでクルマを駅へと向けた。これはオレにとっては特別なコトではなく、いつもの行動だ。この4日間、何度もこのホテルへリコを迎えに来たから、すっかり顔なじみになったスペイン系の陽気なベルボーイが助手席のドア使いをしてくれた。 |
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好きなオンナ との 関係性 | |
飛行機の予約は、消費され、そして新たに発生させられる。 |
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