口上

個人は他人との関係性として存在する。

 

カミザキ ユミ との 関係性 

 

アルガ カヨ  との 関係性 

 

スズキ レイコ との 関係性 

 

リズ デサイー との 関係性 

 

ウエゾノ リコ  との 関係性

 

好きなオンナ との 関係性

 

 

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アルガ カヨ との 関係性

 

新しいソファーが届いたので、アルガカヨとの関係性について思い出した。


アルガはきわめてインディペンデントな生き方が成立しているオンナで、情報量的にオレよりやや劣る程度のすぐれた情報量を基とした振る舞いがややたまに際立つオンナで、その情報量とは本や雑誌で得られるようなものではなく、たとえば銘柄は既知ではなくともラベルとボトルのカタチでおおむねそのWineを察することが出来るようなものなのだが、ほとんどのスーツは黒系でブラウスではなくカットソーを会わせることが自分らしいことを知っていた。


『トオルとの関係にヒビがはいるわよ』と言うから(このトオルはクラブ仲間のトオルじゃない)、オレはアルガのすべてについての妨げになるようなことはしたくなくて(実際はたくさんしていたかもしれないが)、自分が気付くことが可能な範囲においては妨げになるようなことはけっしてしたくなくて、オレがリカとよく会っているという噂がたぶん広がったころ、リカはアルガと違ってスーツをあまり身につけないオンナだったが、リカもアルガのように何かに依存することをしないオンナで、それはきっと何かのきっかけによる強い意志の発生をもととしてリカをそうさせているのだとオレは今でも思っているのだが、リカとは2日に1回ぐらい会うようになったころ、2度のアルガに対する電話で、たぶん母親と思われるオンナが2度とも電話に出て、上品さをただよわせる声で『カヨは電話にでることができません』と、そうオレにはけして鼻につくことのない上品さで言い、以来オレはアルガと話しをしていない。

   
 
カミザキ ユミ との 関係性  
 

前の週、サイパンで撮った写真を手渡されて、これはプロが撮った写真じゃなくて、いっしょに行ったモデルが撮ったんだなと思いながら、たぶんホテルの部屋から出ると外に面した通路になっている、そんなところで写した写真を、オレは断り無しナシに1枚抜き取って、なんだか少しいい気分になっていたに違いないのだけれど、その写真のユミは、オレが知らない黒のドレスを着ていて、すらっとした手足も、風に舞うストレートヘアーも、そしてやや微笑んだ口元をキュっとさせる表情もオレは好きだった。だから、『今日は階段を上がったり下ったりする歩きをレッスンをしたの』とユミは言ったが、そんなコト、オレにはどうでもよかったし、それよりサイパンへ撮影に行ってたのに、どうしてこんなに色が白いんだろうとも思ったが、そんなこともどうでもいいとゆっくり気付きながら、オレはユミのそのやや微笑んだ口元をキュっとさせるその唇にたぶんキスをして、それからその時は洋服も下着もオレが脱がせた。

青山のP&DにNSXで出かけてリカの洋服の買物に付き合ったとき、リカはいつも自分自身で直感的に時間をかけずに服を決めることが出来るオンナだったから買いもに付き合うのもあまり苦痛ではなかったのだけれど、あの日はまだ店員だったユミがブラウンのワンピースをリカに選んだことを認識しているのはオレだけだな、なんて別に誰に言う必要もないことを、当時すでにオレは知っていたし、だから、リカは都合のいいオンナだったし、こう都合がいいと言うとなんだかリカを見下ろした言い方だけれど、実際それは違っているのだが、角川の映画にユミが出ようが出まいがユミも都合のいいオンナだと思うことが、キスやSEXと独立した事象だとオレは感じていなかったことを、ユミは直感で捕らえていた。

その日、だからユミはあんまり濡れないんだと、そんな単純に嫌いになれるものかと考えようとしたが、やっぱりオレはそのすらっとした手足よりも、風に舞うストレートヘアーよりも、何よりやや微笑んだ口元をキュっとさせる表情がオレに向けられることを大切にしたいと思っていたし、だからオレはユミの部屋へ一度も行ったことがなかったのだけれど、そう言えばそのころ、そうたぶんたしかリカの部屋にも行ったことは無かったが、約束どうりユミのマンションの前でクルマを止めて待っていると、大き目なヴィトンのモノグラムのバッグを持ってユミが現れて、ユミの着ていたブラウンのワンピースはあの日ユミがリカに選んだものと同じディザインのものだと気付くなんて、オレはどうしようもなく間抜けだなと思いながら、結局オレはユミを駅まで送って、そしてユミはオレのクルマの助手席のドアを自分で開けてそしてオレのクルマから降り立って以来、オレはユミと話しをしていない。

 

 

 

 

 

   
 

スズキ レイコ との 関係性

 

 

 

 

 

湾岸線から横横を通って逗子までスズキレイコの運転で飛ばすことが幾度かあったが、そのこと自体に何の意味もないし、何かを求めるための前ぎでもなければ何かを求めた結果でもないコトは、オレだけじゃなくてレイコも認識していたはずで、由比が浜を越えたあたりでクルマを降りて、夜の暗い海を並んで眺め、そして江ノ島を経由して東京に戻るいつものコースは、オレの電話でレイコが迎えにくるのだけれど、あるときは六本木のクリュー、あるときは赤坂のティオ、あるときは代官山のキアッケレ、あるときは恵比寿のムラ、ある時は川崎の坊なんてこともあったが、レイコは赤いクーペでオレを器用にピックアップした。

その日、オレはめずらしく大森までレイコを迎えに行って、レイコの家は300坪ぐらいはゆうにありそうな大きな家で、離れがレイコの住んでいるところだと、オレはレイコから確か聞いたことがあったのだが、今日はなんとなくメルセデスで来てよかったと多少思いながら、でも横浜のラブホテルへ入るにはレイコの運転に限る、その理由は、ラブホテルと300坪の離れのギャップを見出すことも、縛られることも、そしてもっとと哀願することも、自分なのだと認識しはじめたレイコを感じたかったからだったはずだ。

レイコは助手席のシートに腰を下ろし、オレはそこで赤いバラの花を一輪プレゼントしたのだけれど、前の夜、何かのイベントのお祝いでもらった大きな花束をそのままに、さも「プレゼントだよ」、と渡そうかとも思ったのだが、突然そんな花束をプレゼントする理由も思い浮かばなかったし、そもそも、そんな自分の姿を想像したらはき気がしそうになったったから、家の花瓶からバラを一本抜いて、花束に使われていたセロファンを巻いて持って行た。

「バラ一輪というのも、よいプレゼンよ。」

確かにレイコはそう言って、ヨーロッパ旅行のお土産、っとその一輪のバラと交換にワインの入った包みがオレに手渡されたのだが、レイコは昨日パリから帰ってきたところで、今日のパーティーにオレが誘ったことを覚えていて、それで昨夜電話をしてきたこの事実はきっと特にこの瞬間に限ればレイコにとって何らかの意味があったのだろうけれども、目に見える現実の事象としてオレがレイコに施せることは、レイコが長い間に渡って持ち合わせてきたものを超えることは無いし、所詮ヒトはヒトを救済するコトなんか不可能だし無意味だと、オレはなぜか確信して、そしてオレによって操作されたシフトレバーはいつものジグザグの手ごたえを経て一番手前のドライブを選択した。

だからパーティー後半、その夜集まったメンバーの一人、ソニーのエンジニアのヤマモトケンイチのレイコをこのあと飲みに誘いたいという申し出を承諾したのだが、その夜初めて会った富士銀行頭取秘書のヤマナカ(こいつは名前を忘れた)というオンナからどこか飲みに連れていってくれ、と言われた3分後ぐらいに、オレはレイコにヤマモトを紹介して、そしてオレはヤマナカとパーティー会場を出て、そしてそれ以来、オレはスズキレイコと話しをしていない。

   
 
リズ デサイー との 関係性  
 

ミラノ発BAのアッパークラスは、オレともう一人しか乗客が見当たらなかったが、初老とも言えるやや年配のイギリス人客室乗務員から仕事でロンドンで行くのか、とたずねられたから、セント・ジャーミン・ストリートのターンブル・アンド・アサーへシャツをオーダーしに行くと答えて、その5分後、オレはアルプス越えのコックピットで機長からそのアルプスの山々の説明を受けていた。 

だから、ケンジントンのヒルトンのロビーで待ち合わせしたリズの唇の顎の間の新しいピアスをとても好意的に受け入れることが出来て、瞬間的にリズの口の中でピアスのクランプはどのような具合でリズの肉体に食い込んでいるのか想像したが、予想よりも強いチカラでリズに引き寄せられたから、そのピアスはオレの顎の上の辺りにおされて、そしてもっと強くリズの肉体に食い込むことになったのだけれど、たとえそれで痛みが走ろうとも、血が出ようとも、そんなことはオレはいっこうに気にする必要なんかなく、それよりもその痛みの100倍の力でバックから右手を引っ張ってやれば、もっと感じれることを、多分リズもオレも今は知っている。

フランスのジョンの家でリズが朝食を作ってくれたとき、リズは友人の家のキッチンなのに驚くほど手際よく、鼻歌を歌いながら、窓から差す朝日に時々照らされて微笑みながら朝食を準備したのだけれど、たしかリズは白であまりぴったりとカラダにフィットした感じのものではないワンピースを着ていたが、このあと近くのレイクまで散歩に行って、リズはそのワンピースを脱いで、その下に着けている水着も脱いで、でも当然まわりにはオレ意外にもヒトがいて、そうだ、オレは絶対サングラスを忘れてはいけないなんてTシャツの首にそのオークレーを下げて、でもこのキッチンでこの白のワンピースを脱ぐことの方が当然セクシーだ、なんて、かなり眠いアタマで考えながらリズの動きを追った。 

オレのプレゼントは時計だったのだけれど、リズは自分がディザインしたスカーフを準備していてくれて、それはゲコ−をモチーフにした女性用のものだったのだが、ボンドストリートのブチックにそのスカーフが置かれることになったと聞いた途端、オレはなんだかリズとの距離感を掴むことに難しさを感じてしまったのだけれど、それはリズの父親がフランス人で母親がイギリス人でリズにはフレキシビリティーに富んだ教育が施されているというバックグラウンドからくるものではなく、リズの望むことがオレの視座から見えにくいことが原因でもなく、ただオレがリズに要求して、そして得ることが許されるものごとのすべては、すでにオレ自信で消費したのだと思うことが合理的で、そしてリズはロンドンのどこかでディザインを続けていて、そしてオレはそのプレゼントのスカーフの在り処を思い出せない。

 

 

 

 

 

   
 

ウエゾノ リコ との 関係性

 

8月6日

ゆっくり暗くなるのを待つ、という言い方は正確じゃない。待っていなくたって、暗くなる。けど、さっきまでの夕焼けの色がわずかに残った空が、完全に闇になるまで、オレはただ時間を経過させるしかなかった。

今日はとても暑かったから、より温度を下げるべきだ。だからステアではなくシェイクで出したフローレンス・Kを、リコはゆっくり口へ運んだのだけれど、テーブルの斜向いにオレは座っていたから、これ以上ないっていう角度でグラスが運ばれた唇を0.3秒だけ見つめることに集中できた(リコはこんな時、オレの方に視線を移してはいけないという上級な約束事を知っている)。

もしいっきに飲み干していたら、そのタイミングを取ることも出来た、と『もし』という時空で確信するしかないのは、少し辛くて、でもそれでいてそんなにわるくもない。好きという実態は、実はこんなものだ。

そのあとは、良く眠りたいからカフェイン無しのお茶ということで、ほうじ茶にした。やけに、やけにほうじ茶がはまってしまった。

8月7日

明日の早朝ミラノへ向かうリコの体力を過度に消耗させてはいけないと思った。その上この暑さと低湿度で、少しカラダを動かしただけで喉がからからになる。すでに0.5Lのボルビックが空になっていた。
『ハーフできり上げよっか』
と言うオレの提案に
『じゃ、すぐビールにしましょっ』
とリコは同意した。

クラブハウス脇で、使ったクラブを洗った。スポンジの付いたブラシの柄が、金属製で随分と太く不要に長い。そのブラシとリコの姿があまりに不釣合いで、笑いがこみ上げてきた。五分丈の袖のポロシャツは腕のところにカットが入っている。かわいい。その白いポロシャツから透けたピンクのブラもかわいい。どっちがかわいいか、なんてどうでもいいと思い、また笑いが来た。

日陰のテーブルを選び、そしてビールグラスを『カチッ』と合わせた。コース上ではあまり感じなかった風が気持ちよくやって来た。

8月8日

ホテルからはタクシーで行くから来なくてもいい、とリコは小さな声で言ったがオレは早朝のピックアップでクルマを駅へと向けた。これはオレにとっては特別なコトではなく、いつもの行動だ。この4日間、何度もこのホテルへリコを迎えに来たから、すっかり顔なじみになったスペイン系の陽気なベルボーイが助手席のドア使いをしてくれた。

『ぜんぜん変わらないねー』
『そりゃ、オレはやや努力してるし...リコはいっそうスポーツしてるって感じになったな』
...
『20年後とか、会ったらやだねー』
『それでそん時も、変わらないねー、とか言うのか?』
リコはそうそう...とおどけて笑った。
たぶんリコと合うのは1年ぶりだ。去年の夏、オレは香港の家の荷物を倉庫に移したあと、ここに移動するまでの間しばらくハワイに居た。そうだ、ハワイへ行く前か後か、ニホンに来たリコをピックアップした覚えがある。この前はニホンで会ったんだ。オレは確かにそのことを思い出したけど、言葉には出さなかった。きっと東京のどこかのレストランでWineを開けたのだろうけれど、それ以上は思い出そうともしなかった。

インターシティーが入線してきた。
『じゃ、20年後。』
『じゃ、20年後。』
『来てくれてありがとう。ミラノ、楽しんでな。』
『ほんとに楽しかった、ありあとう。』
握手で分かれた。

リコのMAILアドレスは知っているがMAILのやりとりは無い。携帯の番号は知っているが、電話もしない。次に会う約束などない。約束など何一つ・ない。

   

 
好きなオンナ との 関係性  
 

飛行機の予約は、消費され、そして新たに発生させられる。

飛行機の移動はことのほか憂鬱で、だからオレは出来るだけ一人で移動するのだが、ことさら帰路に当たるフライトは、ここで考えただけでもぞっとするほど憂鬱で、同行者がいた場合、例外なくそのオレの憂鬱は同行者に感染する。

憂鬱の感染は、時に憎しみを誘起させることを、オレは知っていて、その憎しみを抱いた同行者が、オレが好きなオンナである場合、そう、間違えなくその憎しみは誘起されるもので、その発生は止めることが出来ないのだけれど、その時、その憎しみの半分をオレに向け、その憎しみの半分を自分が接続されたコミュニティーに向けるように制御できるオンナは、オレが思うオトナなオンナです。

オレはその憎しみをオレに向けてほしいなどと、当然思ってはいないが、オレに向けられたその憎しみを許容出来なかったことは、オレが覚えいる限り無く、だからオンナはオレが憎しみを許容した現実を認識するコトになるのだが、もう少し正確に言うと、この認識は、憎しみの誘起よりも早い時期から定着が始まっているのです。

こう話しているコトそのものが『拘束』という概念にあたるのかどうか、オレには解らないが、少なくとも、オレに憎しみを抱いたオレの好きなオンナは、こうしてオレとの関係性においてmasochisticな役割を自覚してゆくのです。

そしてオレは、その好きなオンナとのその関係性にずべてを持ち込む準備がある、とそのオンナに言う。

映像、音、言葉、接触、SEX
破壊、逸脱、覚醒

こうして移動は消費され、そして新たに発生させられる。

 
   
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